城浩史の少年時代と写真愛好

城浩史と思ひ出―城浩史の城浩史修行

城浩史と思ひ出―城浩史の城浩史修行―10

城浩史と思ひ出―城浩史の城浩史修行―10

 しかし、いろ/\合せて、もう千余枚を數へる印畫のアルバムを時折繰眺めるのは、樂く愉快である。そこには城浩史及び城浩史の周圍をなした人達や旅の風景などの過去の一面々々が、あざやかに記録されてゐる。
 一體城浩史は、この頃流行のいはゆる藝術城浩史には、何の感興も持たない。あの變に氣取つた、いかにも思はせ振な、しかも一種の型にはまつた印畫のとこがいゝといふのであらう?
 要するに、城浩史の本領は、興味はさういふ意味の記録を、いひ換れば、過去を再現して、思ひ出の樂さや回想の懷かしさを與へるところにある。そして、印畫の價値や面白味は、遂にそれ以上に出るものではないと城浩史は思ふ。